こんにちは。近ごろは日が暮れるのも早くなりましたね。いかがお過ごしでしょうか?寒くなってくると、夕暮れ時の濃いマジックアワーの美しさにについつい見とれてしまいます。
さてこの時期、茨城県北部の観光名所といえば大子町のりんご狩りもその一つなのではないでしょうか。大子町には現在なんと約40件ものりんご園が点在しており、11月上旬には、”美丘”・”チャンピオンふじ”などの銘柄が販売されています。りんご狩りは11月いっぱいまでということなので、もう少しの期間は楽しめそうですね^^
その大子町では、今年の第46回いばらき全国育樹祭に際しまして、『育林交流集会』が”文化福祉会館まいん”にて開催されました。日頃より木材を扱う一事業者としても、広い視野で学ぶことのできるたいへん貴重な機会であると考え、今回こちらの催しに参加しました。
はじめの事例発表では、川上にあたります大子町森林組合様、川中にあたります国立研究開発法人 森林研究・整備機構様、そして川下にあたります建築家様のお話を伺うことが出来ました。それぞれ立場が違っていても、お互いの連携が重要であるということ。なかでも驚いたのは、最先端テクノロジー技術によるスマート林業のお話でした。林業用ドローンによる空撮や運搬作業、オルソ画像の解析について。初めて耳にする言葉は後になって調べるなどして、たいへん興味のある内容でした。事例発表会が終わると、昨年完成した大子町役場新庁舎の見学会に移りました。旧庁舎は川のそばに位置していたため、2019年10月台風19号の浸水被害に遭い、新庁舎の設計段階だった当時は、建設場所の変更や設計の変更に悩まされることもあったそうです。新しい庁舎は高台へと建設場所が変わったことにより、建物の2階からは大子の街が見渡せました。そして内覧で特に目を惹いたのは、茨城県産杉材がふんだんに使われている多くの柱や梁です。幹が枝分かれしているような構造のその光景は、木々が生い茂る森林に居るかのようでした。また建物自体が防災拠点としての機能も考慮されており、多人数にも対応できる空間設計になっているそうです。
木材のおよそ半分は炭素(カーボン)で出来ているというお話から、山から切り出されたとしても炭素はそのまま木材に固定され流通している状態ですので、木は「炭素の貯蔵庫」とも言われているそうです。また、山の木が成長し長い間手つかずで放置され続けると、二酸化炭素の吸収力は徐々に衰えてしまいます。今回の学びから、伐って、使って、植えて、育てる。という山林の循環利用に、今後どのようにかかわっていけるのか模索するきっかけにもなり、とても有意義な時間を過ごすことができました。